株式会社から合資会社に変更したい!
POSTED ON・2018年9月4日 / CATEGORY・BLOG, お知らせ
先日、とある税理士さんより、変わったご相談を頂いた。
「顧問先の株式会社を合資会社に変更できないか?」かなりマニアックなご相談である。
なにやら、相続税の節税策として考えておられるようでした。
結論は法律上、当然に可能。
必要な書類や手続きについては専門書を読めばなんとかなりますが、ただ、専門書を読んでもわからない個所がありましてこちらは後程記述致します。
合資会社って何?
最近はほとんどお目にかかる事ない形態の会社です。
株式会社の数が約250万社で、合資会社の数はなんと約2万社!!
完全にマイノリティ、絶滅危惧社になりつつあります。
(不快に感じた社長さん、いらしたらお申し出下さい。この表現削除しますので・・)
昔は資本金1000万円、300万円以上ないと株式会社や有限会社を設立できなかったので、そうした資本金の制約がない合資会社を選択するケースもあったようです。
しかし、平成18年に会社法が改正され、資本金1円でも株式会社を設立できることになってしまったので、合資会社の設立メリットも薄れてしまったようです。
株式会社との違いは?
登記簿を見て頂くとわかるように取締役という文言がありません。
合資会社には、取締役という役職が法律上もありません。
じゃあ、社長は誰なのか?代表社員が株式会社の代表取締役(社長)に当たります。
登記簿のイメージ
社員とは?
株式会社で言うとところの株主のことです。
合資会社は、2名以上の社員(株主)がいないと設立出来ず、無限責任と有限責任という2パターンの社員が存在します。
無限責任とは、会社の事業責任を全部負うということ会社の借金を支払う義務がある株主と言えば分かり易いでしょうか?
有限責任とは、株主会社の株主とほぼ同一の意味合いだと思って頂いて構いません。
登記のプロ向けの話
ここからはご興味のある方のみお読み下さい。
司法書士さん向けの記事になります。
上の合資会社の登記例に有限責任社員 氏名 金200万円 全部履行と記載がある。
さてさて、株式会社を合資会社に変更した場合!!
この有限責任社員の出資額はいったいいくらを登記すればいいのか?まったく専門書には書かれていない。
そこで、まず会社会計規則(以下、会計規則という)を紐解くことにします。
合資会社を設立した場合、出資金はどこへ行くのか?会計規則30条、31条の規定によれば、資本金と資本剰余金に計上されます。※特に出資額のうち2分の1を資本金にせよ!という制約はありません。
つまり、有限責任社員の出資額は資本金、資本剰余金に計上されるということになります。
ここを押さえた上で、株式会社を合資会社に変更した場合に株式会社の資本金はどこへ計上されるのか?見てみましょう!!
図
合資会社の設立時資本金+資本剰余金は、株式会社の資本金、準備金、その他資本剰余金になります。
社員の出資額のもとは株式会社の資本金+準備金+その他剰余金となる訳です。
従って、有限責任社員の出資額は以下の計算式で明らかにすることが出来る筈です。
法務局にも確認済みですので、間違いないか思いますが。。
困った際は、お問合せ下さい。